交通事故で肋骨骨折!慰謝料の妥当な金額とは

交通事故に遭った際には、様々な部位で骨折の可能性があり、特にバイク事故では肋骨骨折を負ってしまうケースは珍しくありません。入院や通院など、治療に必要な費用は加害者側の保険会社から支払われますが、慰謝料を請求することが可能なケースもあります。

この記事では、どういったケースで慰謝料請求ができるのか考えていきます。

肋骨は折れやすい?

バイク事故で負う怪我で多いのは頭部と顔部に次いで、胸部です。胸部に大きな衝撃が加わると、肋骨が折れる可能性があります。肋骨は心臓や肺などの大切な臓器を守るための骨ではあるものの、意外と衝撃に強くありません。

折れるケースで多いのは、バイクで転倒したときはもちろん、車であってもエアバックの衝撃に耐えられなかったり、ハンドルに胸部を打ち付けたりしたときです。また、骨折部分は腫れ、皮下出血し、強い痛みを感じるのが一般的です。

肋骨のみならず、臓器の一部が損傷を受けることもあり、その場合重篤な症状が起こるリスクが高まります。こうなると外科的治療が必要になる場合もあります。一方、骨折だけならば、バストバンドという固定具を装着して肋骨を固定した治療となり、全治2ヶ月と診断されることが多いです。

診察は、触診やレントゲン撮影が主です。しかし、受傷直後は肋骨が重なって写ったり肺の影で骨が見えにくかったりして、レントゲン撮影では骨折が判断しかねるケースも少なくありません。

交通事故の慰謝料とは

慰謝料は、精神的苦痛を癒すための賠償です。交通事故に遭えば、誰もが精神的苦痛を感じるでしょうが、どのケースでも慰謝料請求が認められるわけではありません。認められるのは、傷害慰謝料もしくは入通院慰謝料、死亡慰謝料、後遺症慰謝料の3種類が原則です。

死亡慰謝料は遺族が請求することになりますが、入通院した後に亡くなった場合は、入通院慰謝料と死亡慰謝料を同時に請求できます。そして、後遺症が残った場合は、先に入通院をしているはずなので、傷害慰謝料と後遺症慰謝料の請求が可能です。

請求できる慰謝料の額は決まっている?

慰謝料は、3種類の基準が設けられています。ベースになるのが自賠責基準で、自賠責保険会社から支払われるため、一番低額です。自賠責基準で賄えない場合には、任意保険基準が適用されます。そして、最も高額になるのが、弁護士基準です。

日本弁護士連合会と東京三弁護士会による基準があり、後者のほうがやや金額が高めと言われています。弁護士基準で計算して慰謝料請求するには、弁護士に依頼して請求するのが妥当です。また、東京以外に住んでいる人は、日弁連基準での計算となるでしょう。

それぞれの基準はどうやって計算する?

自賠責基準の慰謝料算式は、日額4,200円に入通院日数をかける算式と、4,200円に実入通院日数をかけ、さらに2倍にする算式の2種類があります。

2つを比較して、金額が低い方が慰謝料の金額になります。また、任意保険基準は、保険会社によって様々です。ただ、以前の統一基準を参考にしている保険会社もあります。肋骨骨折で2ヶ月通院と設定した場合は、24.6万円が基本金額で、通常の傷害とされるため、これに10%増額されます。

そして、日弁連基準の場合は、57万円が基本の金額です。

自賠責保険の慰謝料限度額

自賠責保険で支払われる慰謝料は、治療費も休業損害も含めて限度額が120万円と決まっています。ただ、後遺症が残った場合は、別途後遺症慰謝料を請求できます。逸失利益と慰謝料等に分けて計算されますが、前者は後遺症が残らなかった場合に得られたはずの収入額、後者は後遺障害の等級が基準です。

後遺症慰謝料の限度額は等級によって違うものの、最も重い等級の1級で3,000万円、最も軽い等級の14級で75万円です。

なお、1級でも常に介護が必要と認められている場合は4,000万円が限度額となります。

ただし、自分で任意保険会社に請求する場合はこれよりも高額になるでしょうし、代理人を立てて請求してもらうときはさらに高額になるでしょう。

肋骨骨折で後遺症が残る可能性は?

肋骨骨折で後遺症が残るケースもあります。代表的なのは、変形障害と痛みの残存です。この後遺症を医学的に交通事故が原因であると証明され、労働能力の低下や喪失が認められれば、後遺障害の申請に入れます。申請先は保険会社ですが、審査は公正と迅速、親切をモットーにする自賠責調査事務所という第三者機関が行います。

さらに、申請するのは、このまま治療を続けても、変形障害や痛みが治る見込みがないだろうと医師が判断した後です。そして、交通事故による骨折と後遺症だと証明できる画像付きの診断書と後遺障害診断書を含む各種資料を、保険会社に送付します。

肋骨に変形障害が残った場合、自賠責後遺障害等級表の第12級5号に示されている「鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの」という規定に該当するでしょう。ただし、変形していてもレントゲン撮影をしなければわからない程度であれば、適用されません。

適用されるのは、裸体になると変形が明らかな場合です。また、変形がわずかでも、呼吸時に痛みがある場合などは、「局部に頑固な神経症状を残すもの」という基準の第12級13号か、「局部に神経症状を残すもの」という基準の第14級9号が適用される可能性があります。

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後遺障害認定後にもらえる金額は?

自賠責後遺障害等級第12級に認定された場合、任意保険会社から支払われる金額は、100万円が目安です。

一方、弁護士を立てて裁判した場合には、290万円ほど得られる可能性があります。

そして、14級に認定された場合は任意保険会社が40万円、弁護士は110万円が目安です。また、示談交渉で任意保険会社が提示してくる金額は、自賠責基準並みであることも少なくないといわれています。

重要なのは、後遺症が交通事故によって起こったものであることを証明できる書類を抜かりなく作成することです。しかし、医師にとっては治療が仕事であり、後遺障害認定のための診断書作成は門外漢です。親身になってくれる医師なら安心かもしれませんが、書類が不十分で認定されないケースもあります。

申請方法が心配な人や、明らかに後遺障害が認められるべきだと確信している人などは、弁護士に相談するのも一案です。特に、弁護士基準で計算して得られるはずの金額から弁護士報酬を差し引いてもプラスになる人は、相談するのがベストな方法かもしれません。

初回相談を無料にしている法律事務所も多いので、利用してみるといいでしょう。